整体院や治療院では身体の歪みを検査するなどの名目で姿勢の写真などを撮ったりします。
しかしそれは有効な評価方法なのでしょうか?
結論から言うと、無駄ではないですがあまり参考にはならないと私は考えています。
その理由について解説します。
骨格は人によって違う
横から見て耳・肩・股関節・くるぶしが一直線なのが真っ直ぐな姿勢とよく言われています。しかしこれは西洋人をモデルにした評価なので日本人に当てはまるとは限りません。
また骨格の形は人によって違います。例えば腰の反り具合も人によって違います。一見反り腰に見えても骨格がそういう形になっている事もあり、その場合は反り腰がその人にとってまっすぐな姿勢になります。
このように横から見た姿勢が人によって違うのは自然のことです。
人の身体は左右対称ではない
体内の内臓が左右対称ではないのと同じ様に骨格も左右対称ではありません。
例えば歪みの検査として左右の脚の長さの違いを見たりしますが、左右で脚の骨の長さが違う方は多いですし2~3cm程度の左右差は影響はないとされています。
骨盤の左右の高さも同様で、元々骨盤の形が左右で違う方もいます。
また、左右の脚の長さや骨盤の高さは左右どちらかに体重をかけるだけであっさり変わったりするので評価する価値はあまりないです。
人は常に動いていることが多い
姿勢評価として写真を撮る時は、当然動かない様にじっとしています。
しかし日常生活でそのようにじっと動かない場面はほとんど無いでしょう。
姿勢は手や目線の動きでも変わります。つまりデスクワークでも姿勢は一定ではなく常に変化しているのです。
つまり写真などで動かない姿勢をとっていても日常生活でその姿勢になっているとは限らないのです。
姿勢評価は参考程度に
このように写真だけで姿勢を評価するのは無理がありますし、ましてやそれを痛みの原因とすることは出来ないと思います。
よって姿勢評価はあくまで参考程度にしてそこから日常生活動作で何か癖がないかなどを導き出すための資料として使うのがよいと思います。
・骨格は人によって違うので真っ直ぐな姿勢も人によって違う
・人の身体は左右対称では無いので脚の長さや骨盤の高さの左右差は参考にならない
・デスクワークでも姿勢は常に変化しているので写真通りの姿勢になっていることは少ない
・姿勢評価は参考程度に留めておくべき