肩こりや筋肉がこっているなど「こり」という言葉は一般的に使われています。
ちなみに肩こりという言葉は夏目漱石の著書「門」で登場して広まったと言われています。
コリと聞くと、「筋肉が硬い感じがする」「押してみると痛いあるいは気持ち良い」「動かしにくい」など感覚は人それぞれです。ただ筋肉が硬くなっているというのは共通認識だと思います。
ここではコリは筋肉が不自然に硬くなっている状態と定義します。
筋肉が収縮していると硬くなる
筋肉は腕に力こぶを作るなどの動きで縮んだりしますが縮む動きを収縮と言います。
筋肉は収縮させるか収縮しない動き(弛緩)しかできません。
筋肉が硬いというのは筋肉が収縮している状態を言います。
そして筋肉が収縮する条件は、脳や脊髄などの中枢神経が収縮する指令を筋肉に送ったときです。
脳や脊髄などの神経がなければ筋肉は収縮できません。
無意識に筋肉が収縮しているのがコリ
脳と脊髄の指令で何が違うかというと、脳からの指令は意識的して出来るのに対して脊髄からの指令は無意識の動きとなる点です。
意識して力こぶを作って収縮させた筋肉は簡単に力を抜くことで弛緩できます。
しかし肩こりのような収縮は意識して弛緩させることは出来ないはずです。
つまりコリとは脊髄からの指令で持続的に筋肉が収縮している状態を言います。
痛みがあるからコリができる
コリが出来る要因は色々ありますが、一つは痛みです。
よく「コリがあるから痛む」や「筋肉が硬いから痛む」と聞きますが実は逆で、痛むから筋肉が硬くなったりコリができたりするのです。
痛みがあると脊髄は身を守るために筋肉に収縮するよう命令を出します。熱いものを触った時に咄嗟に手を引っ込めたりするのは脊髄の指令によるものです。緊急事態なので意識して動かす暇はありません。無意識だからこそ咄嗟にできる行動です。
慢性痛など常に痛みを感じていると脊髄が反応して身を守るために筋肉を収縮させる指令を出し続けて無意識に筋肉を収縮し続けます。これが肩こりなどコリの正体です。