膝の軟骨はすり減っても痛くない?
膝が痛くて整形外科などへ行くと、画像診断で膝の軟骨がすり減っているからと診断されることがあります。
軟骨がすり減っていると聞くといかにも痛そうなので納得しやすいですが、じつは膝の軟骨がすり減っていても痛みが出るとは限らないのです。

理由は、膝の軟骨の表層には痛みを感じる神経が分布していないからです。
ただし、さらに深層部分には神経が分布しているのでそこまですり減りが到達していれば理論的に痛みを感じます。
ではすり減りが進行していて変形が重度なら痛みが必ず出るかというとそうでもなく、変形が進行していても痛くない人もいれば変形が軽度なのに激しく痛みを感じる人もいることが臨床の現場ではよくあります。
また本当に軟骨のすり減りが原因であれば、片足立ちをした時などで膝に荷重をかけた際に痛みが出るという症状になりますが、実際はそれでは痛みが出なくて動き出しなど別の条件で痛みが出てくるということが多いです。
そもそも、60歳以上の場合80%以上の人はレントゲンなどで膝の変形が見つかるという報告もありますが60歳以上で膝は痛くないという方も多くいると考えれば軟骨のすり減りなどの変形は痛みとは一致しないことが分かります。

変形が痛みの原因とは限らないので、変形が治らなくても痛みは改善することはあります。